おすすめの洋書紹介152冊目はPIG-HEART BOYです! 本書はPenguin ReadersのGR版で英語学習者向けのシリーズとなっています。直訳すると豚の心臓の男の子ということでなかなか衝撃的なタイトルですが、読み進めていくとすぐに意味が分かると思います。とても考えさせられる1冊でした。
語数……13790語
難易度……比較的読みやすい。記事の冒頭にも書いた通り、本書はPenguin ReadersのGR(=英語学習者向けの)版の本なので難しい単語や表現は少ないと思います。Penguin Readersのシリーズの中だとレベル4(CEFRレベルA2+でHeadwordsが1200)に属しています。10000語程度のGR本を読み慣れている方であればあっという間に読めてしまうと思います。ちなみにAmazonの商品ページでは対象年齢12~17歳の表記となっていました。参考までに記しておきますが、自分は多読累計1215万語、英検1級の時にこの本を読みました。
ストーリー紹介……13歳のCameronは心臓が弱く、他の友達のように運動したり遊んだりすることができなかった。臓器移植も受けられないうちに彼の余命は残り1年となっていた。そんなCameronだったが、豚の心臓を移植されることになる。人間への豚の心臓の移植は前例がなく、また反対する人々もいたため内密に行われた。しかし内密のはずの手術はある理由から移植の事実が広まってしまい、Cameronや家族たちは非難されてしまう。豚の心臓を移植したことから動物の権利を主張する団体からは批判され、またクラスメイトからは衛生的に問題があるのではないかと差別されてしまう。Cameronは新しい心臓で日々を生き抜いていくのだが──
というお話です! 印象に残ったのは、Cameronや彼の家族に人々が向ける非難の言葉の数々でした。そこまでヘビーな話ではないのですが、人間の残酷な一面がよく描き出されていると感じました。実際のところ豚の心臓の人間への移植はつい最近(2022年1月)世界で初めて行われたようです。移植された方は約2か月後に亡くなってしまったそうですが、今後さらに倫理的な議論や研究が進んでいきそうです。
本書のオリジナル版は1997年に出版されていますが、最近書かれた内容だと言われても全く違和感がないように思いました。
少し珍しいタイプのストーリーなので、皆さんにもぜひ読んでいただきたいです✨
【おすすめの洋書紹介(152冊目)おわり】
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