おすすめの洋書紹介(163冊目)The Boy in the Striped Pyjamas【Penguin Readers】【GR版】【縞模様のパジャマの少年】

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 おすすめの洋書紹介163冊目はThe Boy in the Striped Pyjamasです! 今回紹介するのは原書ではなく、Penguin ReadersのシリーズのGR版になります。映画にもなっている有名な作品ということは知っていたのですが、ストーリーは知らなかったのでこの機会に読んでみました。なんとなく聞いたことがあるけれど詳しくは知らないという人にはぜひ読んでいただきたいです。

語数……12575語

難易度……読みやすさ普通。本書は原書ではなく、Penguin Readersのシリーズから出ている英語学習者向けのGR版となっています。GRの本としては語数やHeadwordsは多い方ではありますが、ネイティブ向けの本を読み慣れている方であればかなり読みやすく感じると思います。私の場合も集中してすぐに読み切ってしまいました。参考までに記しておきますが、自分は英検1級、多読累計1249万語の時にこの本を読みました

ストーリー紹介……主人公の少年、Brunoは軍人の父を持つ。ベルリンで幸せに過ごしていた彼は、ある日父親の仕事の都合で見知らぬ土地で引っ越すことになる。引っ越し先には友達もおらず土地もなんとなく気に入らない。そんなBrunoは自室の窓から不思議な施設が見えることに気が付く。そこには縦模様のパジャマを着た人々がいたのだった。友達がおらず寂しかったBrunoは施設の中の少年と遊んでみたいと考えることに。Brunoは家族には内緒で有刺鉄線越しにShmuelという少年との親交を深めていくのだが──

 というお話です! 主人公の少年は自分の父親がどれほど残虐な行いをしているのか、有刺鉄線の向こうの施設がいかに酷いかということを知りません。従って、読者もBrunoの無邪気な視点から物語を捉えていくことになります。

 しかしそうは言っても、現代に生きる読者は多かれ少なかれBrunoの置かれた環境についての知識を持っているわけです。Brunoにとってはなんだかよく分からない施設も、読者はそれが強制収容所であることを理解しています。従って、Brunoの無知からくる発言には違和感を覚えてしまうこともあるかもしれません。BrunoがShmuelにいかに自分の暮らしが惨めかと語ることも気になるかもしれません。もちろんBrunoはShmuelの酷い暮らしは知らないわけですが、なんとなくイメージしてしまう読者からすればBrunoはちゃんと家があってまともな食事も与えられているのに……という気持ちになってしまうこともあるでしょう。それでもBrunoは本当に知らないので仕方のないことではあります。そういった面も含めて、私にとっては読み終わった後もいろいろと考えさせられてしまう作品でした。

 アンハッピーエンドということは読む前から知ってはいましたが、それでも読後は重い気持ちになりました。余談ですが、映画の方は悲しい結末から二度と観たくないと感じる視聴者も多いようです。映画は未視聴ではありますが、小説に関しては私も二回目を読み返す勇気はないかもしれないと感じてしまいます。

(映画の予告はこちらになります↓)

映画 『縞模様のパジャマの少年』 予告編

 おすすめの洋書と書いておきながらなんという紹介の仕方なんだ⁉という気もしますが、それでも読んで良かった1冊だと感じたことは確かです。皆さんもぜひ覚悟を決めて読んでみてください!

                     【おすすめの洋書紹介(163冊目)おわり】

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