Grandmaster of Demonic Cultivation【魔道祖師 英語版1巻を読みました】【おすすめの洋書紹介(119冊目)】

Water Lily Flower Plant Lotus  - PraxisHumpert / Pixabay 日本語の本
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 おすすめの洋書紹介119冊目はGrandmaster of Demonic Cultivationです! 『魔道祖師』という中国のファンタジー小説の英訳版1巻です。今回はあまりにも好きな作品なので、記事もなかなか長くなりました。洋書紹介に入る前に書きたいことが多すぎました💦 英語版1巻以外のネタバレも大いに含みますので、ご注意ください

*ちなみに『魔道祖師』に関連した記事は以前にも書いています↓

 この作品ですが、小説の他にもアニメやドラマなどの様々な形で展開されています。ドラマ版は『陳情令』という違ったタイトルで展開されています。2019年に公開されたドラマ版ですが、中国ではなんと100億回再生を突破した大ヒット作品です。人口規模が違うので単純に比較することはできませんが、日本で言うと『鬼滅の刃』が全国で流行ったようなイメージかもしれません。

【ドラマ版のofficial trailer】小説のイメージにぴったりなキャストさんと美しい映像が魅力的です✨

「陳情令」日本オフィシャルトレーラー・中国語版

 ドラマ版など様々なメディアミックスをされている本書なのですが、1つ留意しておきたいことがあります。本作品におけるBLとブロマンスについてです。原作小説はBL(=boy’s love, 男性同士の恋愛)というジャンルですが、ドラマやアニメではブロマンス(=bromance、親しい男性同士の友情)のジャンルに変更されています。つまりドラマやアニメではメインの2人はあくまでも距離の近い親友で、互いに恋愛感情を抱いたりすることはないような描かれ方をしているということです。

 それではBLという括りになっている小説の方はどうなのかということについて触れていきます。小説は全4巻(+番外編)という構成ですが、結論から言うと1~3巻についてはいわゆるBLのイメージの描写はほとんどありません。ファンタジーとミステリーそのものという感じです。というのも本作品は基本的に主人公の目線で語られるのですが、この主人公が4巻に突入するまで親友への恋愛感情を一切自覚しないのです。4巻で自覚してからはなかなか衝撃的な部分もありますが、ここではあえて言及を控えることにします。

 私は英語版1巻を読む前に、まずは日本語の翻訳版を全巻読みました。(「英語版を読みました」とタイトルに書きながら、全くそこまで到達しませんね……)

 

 この日本語版なのですが、公式のツイートによればなんと累計40万部を突破しているそうです。BLの翻訳作品というあまりメジャーなイメージのないジャンルでこの部数と考えるとそのすごさが余計に感じられるのではないでしょうか。

 

 ちなみに私は今回英語版を読む前に、日本語版も全巻読んでいます。内容がとても面白いことはもちろん、この日本語版の翻訳がとても読みやすいのです。別の言語から翻訳された不自然さのようなものを全く感じさせず、まるで元から日本語で書かれたお話を読んでいるかのように没頭できます。実は将来翻訳をやってみたいと考えているのですが、これは出版翻訳の目指すべき1つの形ではないかと個人的には思っています。

 さすがにそろそろ英語版の話をしようと思います

 今回紹介するのはこちらです↓ 言語ごとに表紙が違うのもまた楽しめます✨ 英語版には挿絵が複数使われているのもおすすめしたいポイントの1つです!

語数……約12万語(私のおおよその計算なので目安です)

難易度……比較的難しい。単語や文法がとても難しいというわけではないですが、作中の特殊な用語を外国語で正確に理解するのは少し難しいかもしれません。ただし巻末には用語や世界観を説明する特集ページが付いているので、そちらを先に読んでいただければ理解度は上がると思います。ちなみに書かれている内容に基づいたrateは17歳以上ということになっています。(本の背表紙の下の方にマークがあります)正直に言うと、ドラマやアニメなどで最初の数話を先に見てから読むと一番イメージしやすいように感じます。

ストーリー紹介……妖魔が蔓延る古代中国を舞台とした世界で剣や様々な術が活躍するファンタジー小説。いろいろな事情があって悪名高く世間から恐れられて死んだ主人公(=魏無羨、ウェイ・ウーシエン)は、13年後に突然他人の身体に魂を召喚されて現世に蘇る。思いがけず現世に蘇った彼はかつての親友(=藍忘機、ランワンジー)と行動を共にすることに。目の前に現れる様々な謎を解き明かしていくうちに、かつての自分の死にまつわる陰謀や黒幕の存在が徐々に見えてくるのだが──

 

 というお話です! もう本当にめちゃくちゃ面白いです! 

 ここで少しだけ世界観等の補足をしておきます。西洋で魔法使いが箒に乗って空を飛ぶように、作中の彼ら仙師(=cultivator)は剣に乗って空を駆け回ります。仙師は修行して霊力を蓄えているので、常人よりも強く寿命も長いです。この世界には数多くの門派が存在しますが、その中でも中心的なのは五大世家(姑蘇藍氏こそらんし雲夢江氏うんむじゃんし清河聶氏せいがにえし岐山温氏きざんうぇんし蘭陵金氏らんりょうじんし)の人々となっています。両親を早くに亡くした主人公(魏無羨、ウェイ・ウーシエン)は雲夢江氏うんむじゃんしで引き取られて実の息子のように育てられます。彼はものすごく優秀で誰とでも仲が良く(言うまでもなく美男子で)みんなの人気者でした。数年後には陰謀に嵌められて世間から死を望まれるようになってしまうのというわけなのですが…… 

 本当に面白いのでぜひ読んでみてください! (ドラマやアニメを先に少しでも観ておくとイメージしやすさが格段に上がります。主要な動画配信サイトには大体入っていると思います)

          

              【おすすめの洋書紹介(119冊目)おわり】

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