おすすめの洋書紹介(47冊目)Loveless 【LGBTQIA】      【2021年YA Book Prize受賞作】 【少し難しい】【大学生】

Flower Vase Multicoloured Pink  - Yuri_B / Pixabay おすすめの洋書 
Yuri_B / Pixabay

 おすすめの洋書47冊目はAlice Oseman著のティーンエイジャー向け小説のLovelessです! 分厚いペーパーバック本なのですが、夢中になってあっという間に読んでしまった1冊です。ここ数か月で読んだ洋書で一番好きです。本当にかなり良かったので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです

 紀伊國屋書店の洋書コーナーで素敵な表紙に惹かれて買ったのですが大当たりでした!

 ちなみにその表紙はこんな感じです↓ 色とデザインがとても魅力的です。

   語数……132887語

  難易度……出てくる単語自体はそれほど難しくないですが、ネイティブ向けで語数がかなり長いので「少し難しい」としています。Amazonの商品ページでは対象年齢13歳以上となっていました。ティーン向けのペーパーバック本をある程度読んだことのある方なら読みやすく感じるかもしれません。基本的に主人公の一人称視点なので比較的分かりやすいと思います。参考までに記しておきますが、自分は多読累計1113万語、英検1級のタイミングでこの本を読みました

ストーリー紹介……主人公のGeorgiaはDurham大学の新入生。初めて実家を離れて寮に入ることになったGeorgiaだったが、高校までの親友のPipとJasonも同じ大学に進学するのでいくらか心強かった。しかしGeorgiaには悩んでいることがあった。それは大学で好きな人ができるのかということだった。Georgiaは高校を卒業するまでの間、誰も好きになったことはなかった。中学や高校で周りの学生たちは皆、誰もが恋人を作っていたので彼女は肩身が狭い思いをしていたのだった。Georgiaに好意を示す男の子は過去に何人かいたけれど、彼女はどうにも付き合うような気持ちになれなかった。大学で出会ったルームメイトのRooneyはGeorgiaとは正反対のタイプの女子だった。Rooneyは友達が多く、バーで出会った男の子とすぐに仲良くなって遊びに行く。好きな子がいないというGeorgiaにRooneyは様々なアドバイスをしてみる。Pip(Georgiaの親友)は自身の恋愛対象が同性だったので、もしかしたらGeorgiaも自分と一緒かも?と考えてみたりする。悩んだGeorgiaはデートに挑戦してみるけれど、どうしても相手を恋人として考えることができなくて──

 というお話です! ネタバレしてしまうと、Georgiaは最後まで恋愛的な意味で誰かを好きになることはありません。いろいろな葛藤を乗り越えながらも、最後には彼女はそれを自分の個性として受け入れるようになるのです。お話自体も面白くて好きなのですが、それこそが特に良いと思ったところです

 Georgiaの等身大の語りにきっと夢中にさせられるはずです。語数はかなり多いですが、私はあっという間に読んでしまいました

 ところでこの本は冒頭にも書いた通り、2021年YA Book Prize受賞作となっています! これはイギリスorアイルランドの作家によるヤングアダルト向けで特に優れた小説に贈られる賞です。(公式サイトはこちら

 かなりの語数を読んでいますが、個人的にはここ数年で読んだ洋書の中でもトップ5には入ると思います。素晴らしい本だったので、ぜひ皆さんにも読んでほしいです。

 本書に翻訳の予定があるかどうかは分かりませんが、日本語に翻訳されないとしたらそれは損失といって差し支えないと思います。作者の他の小説は実写化の予定や世界各国で翻訳済のようなので、本書もぜひ期待したいです。もし予定がなければ自分で訳したいと思ってしまうほど素敵な小説でした。

                       【おすすめの洋書紹介(47冊目)おわり】

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